「写 真」は一期一会の宝もの 47



バ ラ の 風 情

 3千万年以上も前の化石に多数見られるバラ、今回は古くからその美しさと芳香で世界の人々を魅了し、私も子供の頃から大好きだったバラの花です。
 父が急逝する寸前まで、寸暇を惜しんで慈しみ育てていたバラ、高校2年生の時に思い切って片想いの女生徒にプレゼントした思い出の花でもあります。

 個人的に好きなのはバラ色、ピンク、白、赤などで、比較的小型で単純な形のものです。最近、青バラが売られるようになりましたが、これはどうも好きになれません。どこででも見られるこの花もいざ美しく撮るとなるとたいへん難しい題材です。その中のいくつかをご覧下さい。

 ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ(1763-1814)はバラをたいへん愛し、世界中からバラを取り寄せ栽培、交配させる一方、植物画家の天才ルドゥーテに「バラ図譜」を描かせました。この図譜には169種のバラが精密に描かれ、芸術的、植物学的に重要な資料となっています。

 

 このころから人為交配による新種育成の技術が確立され、19世紀半ばにはバラの品種は3,000を超え、これが現在の観賞用バラの基礎となりました。

 1867年、交配によって作られた新種「ラ・フランス」以前のバラをオールドローズ、それ以後の物はモダンローズと呼ばれます。
 下記( NYPLデジタルのギャラリー )をクリックすると、ルドゥーテの「バラ図譜」全169種の絵を拡大して見ることが出来ます。バラ愛好家にとってはこれを見るだけでパソコン1台の価値以上のものが得られると思う素晴らしいサイトです。

   http://digitalgallery.nypl.org/nypldigital/dgkeysearchresult.cfm?keyword=Redoute           栗原 眞純


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