「写 真」は一期一会の宝もの H



見られなくなった風景

 1912年に完成し、周囲の景観を含めた美しさと当時の日本の架橋技術の高さ故に訪れる人の多かった山陰本線の余部鉄橋は2007年春、同じ鉄橋の南寄りに並行して、新鉄橋の建設が始まったためにこのような風景は見られなくなってしまいました。

 1986年12月、風速25mを越す突風にあおられて7両の列車が転落、6名の死者を出す大惨事となりました。この事故をきっかけに、風速20mを超えた場合の列車の運行停止が定められ、その結果、度々ダイヤが乱れることになり新橋建設に至ったものです。

 2010年竣工予定の新橋は暴風壁の完備したコンクリート製の、被写体としてはあまり魅力のないものになりそうです。下の写真は「特急はまかぜ」、上の写真は普通列車でいずれも2007年2月に撮影したものです。

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