「写 真」は一期一会の宝もの N



目 下 ラ ヴ ラ ヴ 中

 岡崎にある京都市動物園は1903年創立で、日本では1882年開園の上野動物園についで二番目に古い動物園です。私も時々動物たちを撮影しに訪れますが、動物園が古いせいか予算が少ないせいか、旧態依然とした動物舎には檻や金網を使ったものが多く、写真撮影にはとても適したところとは言えません。

 ところが、たまたま私が訪れた日、金網張りの鳥舎から美しいオウムが係員に連れられ広場へ出てきて、子供連れの見物客達に囲まれ、緑の木陰で楽しそうに遊んでいました。

 写真右側の冠羽の黄色いのをキバタン、左側の冠羽が赤いのをオオバタンと言います。バタンとは頭の上にあるトサカのような冠羽をもった白色で大型のオウムの総称で、原産はオーストラリアやインドネシアです。社交的で人なつこく3歳児位の知能があって賢いので上手に飼えば人とコミュニケーションがとれる位によく喋るようになるそうです。

 体長約50cm、寿命は80年とも言われます。写真のオウムも既に40年近くも飼育されているとのことです。二羽の可愛いしぐさを見ていると、私も飼ってみたくなりました。「いらっしゃーい」「はやくよくなってね」「おくすりのむのわすれちゃあだめだよ」とか覚えさせて待合室に置いておけば人気者になるだろうなあと思います。オウム病には気をつけなければなりませんが。

 よく喋るように育てるには、なるべく若い雄を選んで、少しずつではなく長文を一気に覚えさせるのがコツなのだそうです。それほどオウムの言語習得能力は高いということですね。どなたかトライして見られてはいかがですか?

 雑談を少し。ハーバード大学でオウムの知能を研究しているペッパーバーグ博士に協力していたヨウム(オウムの一種)のアレックス君は5歳児の知能を持っていたそうです。彼は博士から100以上の単語を学び、「僕は〜をしたい」「僕は〜へ行きたい」など、目的語を含んだ受け答えの簡単な会話をすることができました。また、50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6まで数えることもできました。彼が博士と過ごした30年の生涯を閉じる最後の言葉は、「愛してるよ、また明日ね」だったそうです。博士は「彼は『オウムは人の言葉を無意識にまねるだけ』という固定観念をくつがえしてくれた」と書いています。


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