「写 真」は一期一会の宝もの S



雲  海

  航空機からではない雲海の写真を撮ろうと、数年前大江山が良いと聞いて、早朝4時起きして出かけました。しかし広々とした雲海の中央にひときわ高い山が邪魔をして私的には満足出来る風景ではありませんでした。

 その後、新聞で滋賀県朽木の雲海の記事を見て、再度雲海撮影に挑戦しました。美しい雲海が見られるのは11月頃、それも良く晴れていて適度の湿度もあり、風が無く出来るだけ寒い早朝、日の出前なのだそうです。

 2007年11月2日早朝、朽木の雲海撮影ポイント、滋賀県と福井県の県境で太平洋と日本海との分水嶺でもある小入峠を目指しました。狭いくねくね道を上り下りしながら怖々40分、登るにつれて下界では思いもしなかった積雪に覆われた道路になりました。

 小入峠で駐車、こんな雪道に置いてうまく発進出来るかなあ、自分の車は冬用タイヤ付き4WDだからまあ大丈夫だろう、と考えて車から出てあたりを見回すとご覧のような素晴らしい雲海が眼前に広がっています。1時間余り、徐々に明るさを増してくる中で撮影を楽しみました。 二枚の写真の色合いが異なるのは撮影時間に1時間程度のずれがあるためです。

 帰路、車を動かそうとするとタイヤが空転して動きません。やはりJeepのようなデフロックが効く本式の4WDでないと駄目なんだなあと思いながら、タイヤの下を手で掘ってそこらにあった石や雑木類を押し込んでアクセルを強く踏むと車が飛び出しました。今度車を買う時は本物の4WDにするぞ。

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