「写 真」は一期一会の宝もの 22



天 使 の 微 笑 み

 1975年頃、北イタリアのどこかで当時使っていた6×7判の大型カメラで撮影したものです。どこで撮ったのかすっかり忘れてしまいました。どこかの街でレンタカーして地図を見ながらあちこち廻りました。あまり大きな街ではなかったと思います。イタリアの古い街によくある広場です。丁度その日は聖どなたかのお祭りとのことで美しく着飾った大勢の子供達が集まっていたので車から降りて覗いてみました。

 この少女の傍に居た母親らしい人に片言のフランス語と手真似でお嬢さんの写真を撮っても良いですかと尋ねたところ、快くSi, d'accordo.と言っていただいたので、背景に余計なものが入らないところへ立って貰って数回シャッターを切りました。イタリア語とフランス語のちゃんぽんで、Buongiorno madoemoiselle, Que tu et joliet! sourire とか何とか言いながら5・6枚撮ったと思います。

 そして、grazie, merci beaucoup.と言って、いつも旅行の際に、道を聞いたり、バスや電車の切符の買い方を教わったりした時のお礼用に準備していた京都の絵はがきを数枚プレゼントしました。小さな声でgrazieと言って受け取ってくれたのを覚えています。

 そのやりとりを近くで見ていたお母さんもたいへん美しい人だったのでMerci madam que vous etes belle aussi ! と言うと、うまく通じたと見えてにっこり微笑んで下さいました。

 下の写真はサンマルコ寺院とゴンドラの風景です。フィルムの保存状態が悪く、空の部分にカビが生えていたのでパソコンレタッチで修整しました。空に少しむらがあるのはそのためです。 さて、上の広場はいったい何処だったのかなあ?

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