「写 真」は一期一会の宝もの 25



ノ ハ ラ ツ グ ミ

 今回の写真は日本では20年に1度位しか見られないと言われる珍鳥、ノハラツグミさんです。今年の2月中ごろ、私が校医をしている高校の理科の先生が宇治市木幡北池で見付けられたことが新聞で報道され、更にNETで広がって、全国から大勢のバーダーが木幡へ来られ、北池近くの道路には連日カメラの砲列が出来てたいへんな騒ぎになりました。
 私も残された時間が少なくなった今の内に見ておきたいと考えて診療時間前に行って見ると、まるで私を待っていてくれたかのようにカメラの写程範囲へ出てきてくれました。

 よく見ると凛々しくてなかなかハンサムな鳥ですが、どこにでも居そうな鳥でもあります。20年に1度しか来ない1羽の鳥を見つけられた先生の記憶力の良さに改めて感心しました。私が20年に1度しかないような病気の患者さんを診て診断できる自信は全くありません。
 見たところ、上の写真を撮った2日後に当院近くで撮影した普通のツグミ(下右の写真)とよく似ていますが、後頭部や背中が青っぽいのが特徴で、それを知っていれば誰にでも分かるのだそうです。地元のスズメと何やら話し込んで居るツーショット写真で大きさが分かります。
 ノハラツグミはヨーロッパ北部で繁殖し、中東諸国で越冬する渡り鳥で、希に渡りの途中で迷って日本へ来て、これまでに北海道、埼玉、神奈川、長野などで目撃されたことがあるそうです。
                                     随筆集目次へ