「写 真」は一期一会の宝もの 29



ピ ラ ミ ッ ド の 第 一 印 象

 エジプトツアーに参加しました。エジプトと言えばまず思い浮かんだのは6カ国語を自在に操り豊かな知性が醸し出すたくみな会話と美しく魅惑的な姿態、しかも21歳にして軍事・政治面にも非凡な指導力を発揮し、ローマ帝国の指導者、51歳のシーザーを虜にしたスーパー女王クレオパトラでした。

 シーザーが暗殺された後、強大なローマ帝国と戦って力尽き敗北、生前に造っておいた一旦閉じると永久に開けることが出来ないという壮大な墓の一室で毒蛇に自らの胸を噛ませて命を絶ったとも伝えられます。

 私としてはその死に場所こそ広大な砂漠に埋もれていて未だ発見されていない壮麗なピラミッドの一つであって欲しいと思っています。そんな空想に浸りながらピラミッドを眺めていました。

 現実に戻ると、ピラミッド周辺には観光客用を含め、たくさんのらくだが居ました。ピラミッド地帯でテロリストなど不審者を見張るために巡回している兵士もらくだに乗って巡ります。

 この写真は丁度兵士が乗ったらくだが二つのピラミッドの中間へ差しかかった所を撮りました。ピラミッドの大きさが良く分かる写真になったと思います。

 下の写真は自分こそ砂漠の主役だとピラミッドと張り合っているかのようならくだです。らくだは背中のコブにカロリー源となる脂肪を貯蔵し、血液中に大量の水分を蓄えることで熱砂の中を1週間も飲まず食わずで、なんと体重の4割にあたる水分を失っても平気で移動できるのだそうです。クレオパトラの美貌の秘密はこの頑健な生命力を持つらくだの乳風呂に毎日入浴していたことにあるという話もあります。
                                                                   栗原 眞純   

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