「湖南の白鳥とフォトクラブへのお誘い」
               伏見医報 May, 2004

 優雅な姿で見る人の目を楽しませてくれるコハクチョウは日本の典型的な冬鳥です。北極海沿岸で繁殖し生後間もない幼鳥を連れ11月末ごろ日本各地へ飛来して子育てをし2月には再び極北へと帰って行きます。

 琵琶湖の湖北沿岸には毎年約300羽が飛来しコハクチョウ生息の南限と言われていましたが1992年頃から小宅のある大津に近い湖南の草津沿岸でもその姿が見られるようになりました。
 始めの頃は年に数羽を見かける程度でしたが琵琶湖浄化事業や「草津コハクチョウを愛する会」の努力が実を結んで年々増えはじめ多い年には70羽を数えるようになりました。
 昨年から今年にかけてはやや少なく30羽程度でしたが湖北などと違って白鳥が群れを作り湖岸に近寄って来るので冬になるとカメラマン達も大勢集まるようになりました。
 私もデジカメを手に何度か白鳥に会いに行きましたが、運悪く一度にそれほど多くの白鳥を目にすることはありませんでした。そこで将来はこんな風になれば良いなあとの思いで作ったのがこの写真です。つまり同時に撮影した何枚かの写真をパソコンで合成し湖岸を白鳥で一杯にしてしまいました。
 実際にこのような風景が実現するには水がきれいになって白鳥のえさとなる良質の水草や地下茎が繁茂すると同時に広い浅瀬があって琵琶湖の水位が白鳥の生息に適した一定の水位になることが必要です。
 コハクチョウの大きさは体長約120cm羽を広げると190cm、首の長さが30cm位なので逆立ちしてえさとなる水草類に届くことが必要だからです。ですから水位が高すぎたり低すぎたりの年はあまり来ないことになります。
 また白鳥は仲の良い一夫一婦制を守るカモ科の鳥としても知られています。右の写真は別の場所で撮ったものですがこのような光景は良く見られます。

 白鳥の話が長くなりましたが実は今回はいくつになっても楽しめる写真撮影おすすめの文章を書くつもりでした。デジカメの普及で昔暗室で行っていた面倒な作業を越えた、色調の変更、写真の合成や変形など種々のレタッチ作業がパソコン上で簡単に出来るようになりました。野外撮影は足腰の、パソコン作業は脳細胞と末梢神経の老化を防ぐことにも有効です。
 先日新しく府医に入られた先生から突然「写真をやりたいのだけれど医師会には写真の同好会は無いのですか」というメールをいただきました。
 残念ながら今のところ府医には写真の同好会は無いのですが多くの京都府の医師及び歯科医師会員が加入している京都府保険事業協同組合(保事協http://www.hojikyo.or.jp/)の中に「フォトクラブ」という写真の同好会があります。
 フォトクラブには現在約20名程の会員が所属し撮影会と作品合評会とを隔月で実施し、年に2回ほど公開写真展も開催しています。今年のプロ講師はNHK-TVや新聞でも良く取り上げられている北奥耕一郎さんです。会員の写真は私のホームページから見ることが出来ます。ホームページ中の上田、山下、瀧野、松井、三浦、宮本、田中、石原、小柴、多田、小佐々、川口、半田、山中さん達がフォトクラブ会員です。
 フォトクラブへ入会するには保事協から予算が出ている関係上保事協組合員になることが必要です。この組合はいろいろのことでたいへん利用価値が有るので入って損のない組合だと思います。私が入会したきっかけは税制面で有利な小規模企業共済への加入と信頼が置けてマニフェスト処理の楽な医療廃棄物処理業者を斡旋してもらったことでした。そうそう保事協の現理事長は伏見医師会の半田行先生でありフォトクラブ会員の一人でもいらっしゃいます。
 最後にモノクロ写真を何枚か置かせていただきました。説明の要はあまり無いと思いますが、順に機上から撮影した中部山岳地帯、石山寺山門の迫力ある仁王像、十和田湖遊覧船上からの波模様、ブリュッセルの街角にある小便娘の像です。今回の写真は全て安価で軽いコンパクトデジカメで撮影しました。
 一人ひとりの個性を存分に発揮することが出来て健康保持にも役立つ写真作りに興味を感じられたら経験/未経験関係無しにぜひ楽しいフォトクラブへご入会下さい。
  

          

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