「写 真」は一期一会の宝もの Q



二 億 年 が 作 っ た 傑 作

 四国山脈で二番目に高い剣山(1955m)に源流を発する吉野川は、徳島県と高知県の境界付近で激流となり地表に露出している二億年前の地層を穿ち、長年の歳月をかけて大自然の芸術品大歩危を作り上げました。

 日本列島の背骨をなすといわれる結晶片岩の岸壁が削られて姿を現した含礫片岩は、美しい流れと相まって独特の景観を呈し、徳島県の天然記念物に指定されています。写真では見えませんが、上方にそびえる断崖絶壁の眺めもなかなかのものです。

 大歩危・小歩危付近は地滑り地帯であると同時に四国屈指の多雨地帯で、落石や土砂崩れが多発し、しばしば国道32号線が通行止めになります。この不便を解消するため大歩危トンネルが計画されています。

 この辺りからさらに奥地へ入ると、屋島の戦いに敗れた平家の落人一族が逃れ住んだ秘境、祖谷渓があり、深山渓谷を渡る唯一の通行手段であるかずら橋(下の写真)を渡るスリルが味わえます。

 一説によると追っ手から逃れる際、容易に切り落とせるように、付近に群生するシラクチカズラを撚り合わせて多くのかずら橋が作られ、要所要所にかけられたのだそうです。明治時代には13ものかずら橋があったのですが、昭和3年に全てワイヤー入りで掛け替えられ、今では3カ所のみとなり3年ごとに掛け替えられています。 

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