【こんなラジオを聴いてます】伏見医報2023年1月号 栗原 眞純 診療終了に伴いラジオを、カーラジやラジコ等で聴く機会が増えました。よく聴くようになった番組のいくつかについて書いて見ました。 一つ目はMBSで休日を除く毎日の午後放送されている「こんちわコンちゃんお昼ですよ」の中で1時5分前ごろから約30分間の「吠えるコンちゃん」のコーナーです。昼食をとりながら聴いています。 コンちゃん(近藤光史さん)が特に伝えたい事、黙っていられない事を関西弁で鋭く大声で吠えはります。急所を突く、時事・世相ネタが面白く時には突き過ぎてMBS自体を揺るがす大事になることもあります。75歳を感じない元気さです。 次にこれもMBS、土曜朝の9:20頃からの、「時間の無駄を省くためにこの解説を聴いてから映画を観に行く」「見る気よりも見た気にさせる」などと言われる名解説、浜村淳さんの「映画サロン」は、あたかもスクリーンを見ているかのような錯覚に捉われます。 金曜日の夜8:30(再放送は翌金曜の午前10時)、NHKラジオ第2、カルチャーラジオでは今、国立天文台の縣秀彦さんの「宇宙の謎に迫る面白い話」が続いています。パソコンで「らじるらじる」を検索して聞き逃し配信を聴くことも出来ます。 |
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このあいだ(1月終わり頃)はボイジャー1号と2号の話でした。打ち上げられたのは1977年のことでした。丁度医師会入会後の間もない頃、京都医報に書かせて頂いた「マイコン談議」でボイジャーの未来に触れて終わったことを思い出しました。 そのボイジャーの現在までについて話されました。木星、土星、天王星、海王星や衛星タイタン、トリトン、イオなどの見事な写真を地球に送り届けたあとも定期的にデータを送りながら打上から46年を経た今、地球からおよそ150au(auは天文単位=太陽地球間距離≒1.5億km)の所を航行中です。太陽圏(太陽風到達範囲)を既に脱出し、搭載する原子力電池(太陽電池は使えません)をまもなく使い果たして地球との交信は完全に途絶えます。数万年後にはオールトの雲を超えて太陽系をも飛びだしダークエネルギーに満ちた宇宙を直進することになります。 1990年カール・セーガン博士の提案で冥王星軌道近く(40au)から私たちの住む地球をボイジャー1号が振り返って撮影しました。 オリオン座のリゲル(最も明るく見える恒星の一つ)の直ぐ南に大きさわずか1ドットの青白い地球が写っていました。 |
「海王星と衛星トリトン」 ボイジャー2号1989年撮影 1977年打上、2023年現在尚 地球に向けて電波発信中 |
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その写真とセーガン博士肉声の動画(3分39秒日本語字幕付)はパソコンやスマホで(Pale Blue Dot-Japanese sub)と検索すれば多分topに表示されます。 1998年ハワイ島マウナケア山頂に造られたすばる望遠鏡の口径8.2mは当時世界最大で地上から観測可能な最遠方銀河の距離を次々に更新して行きました。地表観測に際し大きな障害となる大気のゆらぎによる天体像のぼやけを補償するAO技術により、大気に邪魔されないハッブル宇宙望遠鏡に劣らぬ鮮明な画像が得られています。 更に日本も協力して標高5,000mのチリ・アタカマ砂漠に2011年に建設されたアルマ望遠鏡は22の国と地域が共同運用する世界最大の電波望遠鏡(干渉計)です。口径12mと7mのパラボラアンテナが最大16km離して設置され、その分解能は月に置いた野球ボールを見ることが出来、視力6,000に相当するそうです。 光学天体望遠鏡は、その後も口径8mを超えるものが、稼働中・建設中を含めて10台以上に達しています。 大気に邪魔されずに観測出来る宇宙望遠鏡もこれまでにハッブルを始め数十回打ち上げられています。 中でも2021年12月に打ち上げられた口径6.5mの「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡=JWST」が次々に送って来るタランチュラ、渦巻銀河、車輪銀河、創造の柱、海王星の輪や衛星トリトン、タイタンと言った美しく神秘的な宇宙の映像をご覧になられた方も多いと思います。 これまでの記録を更新する最遠方銀河「CEERS-93316」約136億光年も撮影しました。因みに宇宙の年齢は138億光年というのが定説ですが、宇宙の大きさについては何も分かっていません。(いないと思います。)JWSTについては次回(2月10日)に詳しく話される予定です。 |
トリトン(上方) 海王星とリング(下方) JWST 2022年撮影 JWST 2022年撮影 渦巻銀河 |
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